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同人サークル:曖昧Me地雷
主に東方Projectの二次創作小説をメインに活動するサークル「曖昧Me地雷」の活動などを記していく雑記です。 興味の無い方はBack推奨
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リクエストSS
どうも、趣味は家で眠る事。アグニ@紫です

さて、今回は、何時も同人誌の表紙を描いてくださっている、よっすぃさんからリクエスト頂いたSSを載せたいと思います

pixivにも投稿しているので、宜しかったらどうぞ

では、3000字程度と短いですが、楽しんでいただけると幸いです





「なぁ香霖。退屈じゃないか?」
 商品とも粗大ゴミともわからぬものが雑然と置かれている店内に、そんな声が響いた。
 声の主である霧雨 魔理沙は少々大きめの椅子に腰掛け、宙に浮いている両足をパタパタと前後に動かしながら雑然とした店内を見回している。
「なんだい薮から棒に。どうかしたのかい?」
 その声に、カウンターの奥で本を読み進めていた手を止め、店主である森近 霖之助が返事をする。
 返事といっても、肝心の質問には答えていない。何で突然そんな事を聞いたのか。逆に霖之助が質問を返す。
「いやな、こんな客の来ない店で一日中店番やってて、退屈じゃないのかなぁ。と思ってさ」
 人気の無い店内を見回しながら言う。確かに数多くある商品らしきモノには所々ほこりを被っている物も見受けられ、売れ行きが好調だとは考え難い。
 それにしても店主に向かって『客の来ない店』と言い放つ辺り、デリカシーに欠けるのか、はたまた二人はそんな暴言が許されるほどの関係なのか。
「退屈ではないよ。こうやって静かに本も読めるしね」
 どうやら後者だったようで、霖之助は別段気にしていない様子で答え、再び本に目を落としてページをめくる。
 それ以前に、店主が客が来ない事を肯定、歓迎するような事を言っても良いのだろうか。
「そんな退屈な香霖の為に、私がこうして遊びに来てやってるんだ。ありがたく思えよ?」
「いや、退屈じゃないから」
 魔理沙が妙に偉そうに言い放つ。本を読み進めながらその言葉を軽くあしらうと、再びページをめくる。
 あしらわれた魔理沙はと言うと、ぶすっとした表情を浮かべながら足をパタパタさせて霖之助の方を見ている。
 霖之助は魔理沙の視線に気付きながらも特に気にする様子もなく、黙々と本を読み続ける。魔理沙もそれ以上ちょっかいも出さず、ただ本を読む霖之助を眺めていた。
 どれくらいの時間がたったのだろう。ページをめくる音だけが木霊する店内には、未だに本を読み進める霖之助と、それをただ眺めている魔理沙しかいない。魔理沙が立ち去る気配もなければ、新たな来客が来るとも思えない。
「魔理沙、そう言う君は退屈じゃないのかい?」
 本を読み終えたのか、魔理沙にそう声をかけながら栞を卓上に置き本を閉じる。
 ボーっと霖之助を見ていた魔理沙がその声にハッとして、目を逸らし、帽子を深く被り表情を隠した。
「べ、別にそんなことないぜ!? 私は、その……こうしてるだけで……」
 魔理沙の口調は初めこそ荒げていたものの、どんどん小さくなっていき、そのまま消えてしまった。疑問に思いながらも、霖之助は立ち上がり、読み終えた本を元の場所に片付け、その足で新たな本を手に取った。
 椅子に腰掛け、再び本のページをめくりだす。そのまま店内を再び静寂が包んだ。
「魔理沙、少し良いかい?」
 今度は、先程とは違い、さほど時間を置かずに静寂を霖之助が破った。
 霖之助の言葉に魔理沙は俯き気味だった顔と、深く被り過ぎていた帽子を上げ、霖之助の方へと視線を向けた。その視線を横目で確認した霖之助は、本を読む手を止めずに口を開く。
「今度の日曜日なんだが、人里でお祭りがあるらしいじゃないか」
「あぁ、結構大きな祭りになりそうだって、慧音も張り切ってたぜ」
 そう答え、魔理沙は慧音から聞いたと言う祭りに関しての話を始めた。
 そう言う賑やかな場が好きなのだろう。祭りの出し物や出店、そういった話をしている魔理沙の顔は先程までとは打って変わりとても晴れやかで、笑顔だ。その表情を見た霖之助の口元は心なしか緩み、安堵しているようにも見えた。
「で、どうして急にそんな事聞いてきたんだ?」
 一通り喋り終わり、一息ついた所で魔理沙が本を読んでいる霖之助に尋ねた。すると霖之助は、魔理沙の顔を見て僅かに笑い、再び本に目を落とした。
「いや、魔理沙さえ良ければ一緒に回らないか?」
 本を読みながら、霖之助が言う。それを受けて、魔理沙はと言うと、口を半開きにして、霖之助をジッと見つめたまま、動けないでいた。半開きから塞がらない口、目は見開き気味で、頬は先程より赤みがかかって見える。
 その様子を見た誰もが、動揺していると答えるだろう。
 実際、魔理沙は動揺していた。彼女の想定していた展開に、今の状況は無かったらしい。
「どうした? 用事でもあるのかい? それなら別に」
「いや! 無いぜ! あぁ全然無いぜ! 予定が無さ過ぎて、このままじゃ暇すぎて死ぬんじゃないかと思ってたところだ!」
 霖之助の言葉を遮り、未だに顔の赤い魔理沙が凄い勢いで否定する。
 その勢いに少々たじろいだものの、霖之助は安心したように読んでいた本を閉じる。そして、壁にかけられていた暦を手に取り、予定を書き込んでいく。
 魔理沙はと言うと、暦に書き込む霖之助を凝視していた。先程までと比べるとパタパタさせている足の速度が目に見えて上がっており、頬の赤みは取れず、口元はだらしなく緩んでいる。
 そんな魔理沙の目線に気付いたのか、手を止めて振り返り、魔理沙を見る。
「どうしたんだい魔理沙。随分と落ち着かないみたいだけど」
「い、いや、なんでもないぜ!」
 突然目が合い話しかけられたことで動揺したのだろう、いつも以上に早口で、魔理沙が言う。霖之助は不思議そうな顔をした後、再び暦へと目を向けた。
「ただ……」
 魔理沙の小さな呟きが、店内に響く。外ならいざ知らず、静かな店内では小さな呟きだろうと聞こえてしまう。
 何だろうと、霖之助が振り向こうとした矢先、魔理沙の言葉が続いた。
「た、楽しみだな! 祭り!」
 魔理沙が言い終わると同時に、霖之助が振り向き終わった。言い切った魔理沙の顔は更に赤みが増しており、一見すると熱でもあるかのようだ。
「あぁ、そうだね。僕も楽しみだよ」
 霖之助は魔理沙のそんな様子を気にすることなく、微笑みと、そんな言葉を魔理沙に返した。
 魔理沙の顔が、更に赤くなる。茹で蛸のようだ。と表現するのが最も適当だろう。それくらい赤い。
 再び店内を静寂が包む。ただ、魔理沙には静寂さなど感じられなかった。鼓膜が痛いほど、自分の心臓が早く大きく脈打っている。
 赤くなりすぎたせいか、目はどこか虚ろで、息も少し荒い。まるで本当に熱があるかのようだ。
 ――あぁそうだ。今は熱があるんだ。だから、こんな事を言っちゃうのも熱のせいなんだ
 そんな言い訳を自分自身にしたのか、しなかったのか。何かしらの覚悟を決めたのだろう。先程より幾分かしっかりとした眼差しで霖之助を見つめ、魔理沙が口を開こうとしたその瞬間、口よりも先に店の扉が開いた。
「霖之助さーん。ちょっといいー?」
 声と共に、霊夢が店に入る。霊夢はすぐさま魔理沙と霖之助を視界に捉え、入り口に背を向ける形で座っていた魔理沙の背中がプルプルと小刻みに震えているのに気が付いた。
 振り返った魔理沙の目には涙が浮かんでおり、直後、霊夢は自分がとんでもないタイミングで入ってきたことを理解した。
「やぁ霊夢。丁度良かった。さっき魔理沙と人里で今度開かれる祭りに行こうかって話をしてたんだ。霊夢も暇なら一緒にどうだい?」
 霊夢が魔理沙へのフォローを思案している最中、霖之助が笑顔で言う。その発言に、霊夢を見ていた魔理沙が物凄い勢いで視線を霖之助へと移した。
「霖之助さん……それは無いわ……」
 大きな溜息と共に、霊夢が呆れながら言う。意味が理解できないと言った様子の霖之助は、キョトンとしたまま首をかしげる。
「こ、香霖の……」
 魔理沙が小さく呟く。その声には、ハッキリとわかるほどの怒気が含まれており、懐から取り出されたミニ八卦炉を目にした霊夢は、一目散に店を後にした。
 立ち去った霊夢を呼び止めようとした直後、魔理沙の怒声と共に、ミニ八卦炉から溢れた光の奔流が、霖之助ごと香霖堂の壁を粉砕した。
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プロフィール

アグニ@紫

Author:アグニ@紫
性別:男
住処:富山県
概要:ただのコミュ障の変態
一言:
同人小説サークル「曖昧Me地雷」のアグニ@紫です
まだまだ拙い所は多々ありますが
今後より一層の精進を重ね、腕を磨いていきたいと思います
ちなみに「紫」は「むらさき」と読みます
そんな事よりゆかりんに踏まれたい

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